ひしお教室 日本発酵文化協会にて 祐天寺

先日「ひしお」を仕込んで参りました。

「ひしお」とは醤油と味噌の原型のようなもので、塩に漬けこんだもの、またはそこから出た液体のことで、縄文時代から弥生時代にかけての住居跡から、肉や魚介などを塩蔵する際に自然発酵して「ひしお」となったものが発掘されているのだそう。

「ひしお」は「醤」と書き、中国語では「ジャン」と読みますが、中国大陸から5世紀ごろに仏教伝来とともに輸入され、その後日本で発展した発酵調味料。

醤油を絞る前の「諸味」に似ており、「醤油の実」や「金山時味噌」といった発展系が室町時代には造られていたというから、驚きです。

そんな「ひしお」ですが、仕込むのは材料さえ揃えば一瞬でできる、という簡単なもの。

材料は、ひしお麹、濃い口醤油、水を混ぜるだけ。以上!

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これが「ひしお麹」で、今回の要。
浸漬した麦9割と焙煎した大豆1割を蒸した後に種麹をつけたものが主原料です。

配合例によっては醤油を入れない場合もあり、ひしお麹と塩水のみで仕込むものもあるそうです。いずれにせよ、このひしお麹さえ入手できれば誰でも簡単に造れるというわけです。
(ただし現段階では入手がなかなか難しいらしい…)

さて、今回は旨味成分として昆布と唐辛子を少し加え、全体をよくもみ込んだら終了です。

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(デジカメで茶色の正確な色を再現するのが難しく、実際の色とは若干異なります。)

初日:2016/08/26 27~33℃
最初はチャプチャプ状態で持ち帰るのに水分がこぼれるのでは?と心配したほどですが、大豆や麦の吸水が思った以上に早く、8時間後に見た時にはすっかりと水分はなくなっておりました。

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2日目:2016/08/27 25~27℃
翌日からは1日1~2回かき混ぜていきます。
香りは昆布の香りが圧倒的に強く、昆布も吸水するので、余計な水分はなく、サイズアップした豆、麦がゴロゴロした状態です。

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3日目:2016/08/28 25~28℃
少し水分が戻り始め、とろみがついてきました。
麦や大豆が柔らかくなっているものもあり、それらがペースト状になりとろみとなったようです。

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4日目:2016/08/29 26~30℃
前日とそれほど変化はありませんが、ペースト感は増します。

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5日目:2016/08/30 26~30℃
前日とそれほど変化はありませんが、ペースト感は増します。
昆布の香りよりも醤油のような香りが立ってきました。
味はまだ甘さが強いです。

6日目:2016/08/31 23~27℃前後
香りがとても良いです。
それでも初日と比べるとメイラード反応で少し褐色化してきてるのがわかります。

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7日目:2016/09/01 25℃前後
前日より大きな変化はありません。甘味が強い。

8日目:2016/09/02 25℃前後
本来はここで室温発酵は終了させ、冷蔵庫へ移すとよいとのことでしたが、涼しい日が続いていたのでもう少し延長することにしました。

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9日目:2016/09/03 25℃前後

現段階では柔らかさがが増し、甘味はまだ強く、香りもとても良い感じです。
ここからは好みの問題で甘味を維持したければこれで完成。酸味が欲しければもう少し、香りをさらに良くしたければさらにもう少し、といった具合でしょうか。

10日目:2016/09/04 23~27℃前後
少しアルコール臭。もしかして発酵行き過ぎた?と思いましたが、酵母菌が寄ってきてアルコール発酵し始めたところのようです。
醤油仕込みの初期のように側面に空気の層ができており、酵母がガスを吐き出しているということでしょうか。

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ここからは酢酸菌が酔ってきやすくなるので、1日単位の室温発酵はかなり危険!
ということで、冷蔵庫の野菜室に入れました。

恐らくここかもゆっくりと発酵も進むので、徐々に食べていこうと思います。

といいつつ、既に豆腐ダレにしたり、野菜のディップにしたりして、日々の味の変化を楽しんでいるところです。

現在は鶏もも肉を保存袋に入れ、ひしお少々と共に漬け込み中。

このひしお、たんぱく質分解酵素とデンプン分解酵素がたくさん含まれているので
肉や魚介を柔らかく、旨味や甘味を増やしてくれます。
塩麹に漬け込むのと似てますね♪


仕込みメモ:

ひしおの発酵適温温度帯は25~30℃で7日間
これ以上の温度の時は発酵時間が短くなる。
(原理はパン生地と一緒ね♪)
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